こんにちは、米国クレカ研究所のレオです。
今回は、Chase IHG One Rewards TravelerカードとPremierカードを徹底比較します。
「年会費無料のTravelerと年会費99ドルのPremier、どっちを選べばいいの？」「年会費を払う価値はある？」「どれくらいIHGに泊まるならPremierがお得？」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、実際に両カードの特典を活用した経験と公式情報をもとに、年会費の差、ポイント還元率、エリートステータス、特典内容まで詳しく比較していきます。
本記事は、米国駐在員として実際にカードを保有した上での実体験と公式情報に基づいて執筆しています。
基本情報の比較
まず、TravelerカードとPremierカードの基本情報を比較表で確認しましょう。
| 項目 | IHG Traveler | IHG Premier |
|---|---|---|
| 年会費 | 0ドル（完全無料） | 99ドル |
| 家族カード | 無料 | 50ドル |
| 必要クレジットスコア | FICO 670以上が目安 | FICO 680以上が目安 |
| 入会ボーナス | 3か月以内に2,000ドル利用で80,000ポイント | 3か月以内に3,000ドル利用で140,000ポイント |
| 海外取引手数料 | 無料 | 無料 |
| Chase 5/24ルール | 対象 | 対象 |
年会費とコストの違い
Travelerカードは年会費が完全に無料で、家族カードも無料で追加できます。
一方、Premierカードは年会費99ドルがかかり、家族カードは50ドル/年です。
しかし、Premierカードには毎年の無料宿泊特典（Anniversary Free Night）が付帯するため、実質的には年会費以上の価値を得られる可能性があります。
入会ボーナスの違い
入会ボーナスは、Travelerが80,000ポイント（約400〜560ドル相当）、Premierが140,000ポイント（約700〜980ドル相当）です。
Premierの方が60,000ポイント多く獲得でき、その差は約300〜420ドル相当の価値があります。
ただし、Premierの方が最低利用額が1,000ドル高い（3,000ドル）ため、入会ボーナスを獲得するハードルはやや高くなります。
ポイント還元率の比較
ポイント還元率は、両カードの最も重要な違いの一つです。
カテゴリ別還元率の比較表
| カテゴリ | IHG Traveler | IHG Premier |
|---|---|---|
| IHGホテル | 最大17倍ポイント | 最大26倍ポイント |
| 旅行（航空券・ホテル全般） | 2倍ポイント | 5倍ポイント |
| ガソリンスタンド | 3倍ポイント | 5倍ポイント |
| レストラン（テイクアウト・デリバリー含む） | 3倍ポイント | 5倍ポイント |
| 公共料金 | 3倍ポイント | 3倍ポイント |
| その他すべての購入 | 2倍ポイント | 3倍ポイント |
Premierの方が圧倒的に高還元
Premierカードは、旅行・レストラン・ガソリンで5倍という超高還元率を誇ります。
Travelerカードも3倍で十分高還元ですが、Premierは1.67倍の差があります。
また、その他すべての購入でも、PremierはTravelerより1倍多くポイントが貯まります。
年間獲得ポイントのシミュレーション
月々の支出が以下だと仮定して、年間獲得ポイントを比較してみましょう。
- IHGホテル：100ドル/月（カード利用分のみ計算）
- 旅行（IHG以外）：200ドル/月
- レストラン：400ドル/月
- ガソリン：150ドル/月
- 公共料金：300ドル/月
- その他：850ドル/月
Travelerカードの場合（年間）：
- IHGホテル：100ドル × 12 × 5倍 = 6,000ポイント
- 旅行：200ドル × 12 × 2倍 = 4,800ポイント
- レストラン：400ドル × 12 × 3倍 = 14,400ポイント
- ガソリン：150ドル × 12 × 3倍 = 5,400ポイント
- 公共料金：300ドル × 12 × 3倍 = 10,800ポイント
- その他：850ドル × 12 × 2倍 = 20,400ポイント
- 合計：61,800ポイント/年
Premierカードの場合（年間）：
- IHGホテル：100ドル × 12 × 10倍 = 12,000ポイント
- 旅行：200ドル × 12 × 5倍 = 12,000ポイント
- レストラン：400ドル × 12 × 5倍 = 24,000ポイント
- ガソリン：150ドル × 12 × 5倍 = 9,000ポイント
- 公共料金：300ドル × 12 × 3倍 = 10,800ポイント
- その他：850ドル × 12 × 3倍 = 30,600ポイント
- 合計：98,400ポイント/年
差額：36,600ポイント/年（約180〜260ドル相当）
つまり、同じ支出でも、Premierカードの方が年間36,600ポイント（約180〜260ドル相当）多く貯まる計算になります。
この差だけでも、年会費99ドルの大部分を相殺できます。
エリートステータスの比較
IHG One Rewardsのエリートステータスは、両カードで大きく異なります。
エリートステータス比較表
| 項目 | IHG Traveler | IHG Premier |
|---|---|---|
| 自動付与ステータス | Silver Elite | Platinum Elite |
| ボーナスポイント | 20%アップ | 60%アップ |
| 客室アップグレード | なし | あり（プレミアムルームまで） |
| レイトチェックアウト | 午後2時まで（空室状況による） | 午後2時まで（空室状況による） |
| ウェルカムアメニティ | ウェルカムドリンクまたはポイント（ホテルブランドによる） | ウェルカムドリンクまたはポイント（Holiday Inn Expressで500ポイント、ANAクラウンプラザで600ポイントなど） |
| 上位ステータス獲得条件 | 年間20,000ドル利用でGold Elite | 年間40,000ドル利用でDiamond Elite |
Platinum Eliteの価値
Premierカードで自動付与されるPlatinum Eliteステータスは、通常なら年間40泊以上しなければ獲得できないステータスです。
私の経験では、Platinum Eliteステータスのおかげで、何度も無料で客室アップグレードを受けられました。
特に、スタンダードルームからプレミアムルームへのアップグレードは、1泊あたり50〜100ドル相当の価値があります。
年間3〜4回宿泊すれば、アップグレードだけでも年会費99ドルの元を取れる可能性があります。
Silver Eliteも十分価値がある
一方、Travelerカードで付与されるSilver Eliteステータスも、年会費無料であることを考えると非常に価値があります。
20%のボーナスポイントとレイトチェックアウトは、頻繁に旅行する方には便利な特典です。
また、年間20,000ドル利用すれば、Gold Eliteにアップグレードできます。
特典の比較
両カードの主要な特典を比較していきます。
無料宿泊特典
| 項目 | IHG Traveler | IHG Premier |
|---|---|---|
| Anniversary Free Night | なし | 毎年1泊（40,000ポイントまで） |
| 4泊目無料特典 | あり | あり |
Premierカードの最大の魅力が、毎年の無料宿泊特典（Anniversary Free Night）です。
これは、カード開設記念日に、最大40,000ポイントまでのIHG系列ホテルで1泊無料宿泊できる特典です。
40,000ポイント以下のホテルは多数あり、Holiday Inn Express、Holiday Inn、Crowne Plaza、Staybridge Suitesなど、主要都市のホテルもほぼカバーされています。
平均的な価値は約150ドル相当なので、この特典だけで年会費99ドル以上の価値があります。
私は昨年、ロサンゼルスのHoliday Inn（通常1泊180ドル程度）に無料宿泊特典を使って宿泊しました。
一方、4泊目無料特典は両カードとも付帯しており、連続4泊以上のポイント宿泊で4泊目が無料になります。
Global Entry / TSA PreCheck / NEXUSクレジット
| 項目 | IHG Traveler | IHG Premier |
|---|---|---|
| Global Entry等クレジット | なし | 4年ごとに最大120ドル |
Premierカードには、Global Entry、TSA PreCheck、またはNEXUSの申請費用クレジット（最大120ドル、4年ごと）が付帯します。
年換算すると約30ドルの価値があり、頻繁に旅行する方には非常に便利な特典です。
空港での保安検査を迅速に通過できるため、ストレスフリーな旅行が可能になります。
United Airlines TravelBank Cash
| 項目 | IHG Traveler | IHG Premier |
|---|---|---|
| United TravelBank Cash | なし | 年間最大50ドル |
Premierカードには、毎年最大50ドルのUnited TravelBank Cashが付与されます。
United航空をよく利用する方には、追加で年会費の約半分を相殺できる価値があります。
年間ボーナス
| 項目 | IHG Traveler | IHG Premier |
|---|---|---|
| 年間ボーナス条件 | 10,000ドル利用 | 20,000ドル利用 |
| ボーナス内容 | 10,000ポイント | 100ドルクレジット＋10,000ポイント |
Premierカードは、年間20,000ドル利用すると、100ドルクレジット＋10,000ポイント（約50〜70ドル相当）が付与されます。
この特典を活用すれば、年会費99ドルを完全に相殺し、さらにプラスの価値を得られます。
Travelerカードも、年間10,000ドル利用で10,000ポイントが付与されますが、クレジットは付きません。
旅行保険と各種プロテクションの比較
旅行保険と購入保護は、両カードともほぼ同じ内容が付帯します。
共通の保険内容
| 保険種類 | 補償額 |
|---|---|
| Trip Cancellation/Interruption | 最大5,000ドル/人、10,000ドル/旅行 |
| Baggage Delay | 最大100ドル/日、最大3日間（6時間以上遅延） |
| Lost Luggage | 最大3,000ドル/人 |
| Purchase Protection | 最大500ドル/アイテム、年間50,000ドルまで（購入後120日） |
| 海外取引手数料 | 無料 |
年会費無料のTravelerカードにも、これらの充実した保険が付帯するのは非常に魅力的です。
旅行保険だけでも、年会費無料とは思えない価値があります。
※すべて利用付帯のため、旅行代金をカードで支払う必要があります。
年会費回収シミュレーション
Premierカードの年会費99ドルは、どれくらい簡単に回収できるのか、具体的に計算してみましょう。
主要特典の価値
| 項目 | 価値 |
|---|---|
| 年会費 | -99ドル |
| Anniversary Free Night（平均的な価値） | +150ドル |
| Global Entry/TSA PreCheckクレジット（4年で120ドル） | +30ドル/年 |
| United TravelBank Cash | +50ドル/年 |
| 年間20,000ドル利用ボーナス | +100ドルクレジット |
| 年間20,000ドル利用ボーナスポイント | +50〜70ドル相当 |
| ポイント還元率の差（Travelerとの比較） | +180〜260ドル相当 |
| 合計価値 | +461〜561ドル/年 |
| 実質的なコスト | -362〜462ドル（大幅プラス） |
つまり、主要な特典を活用するだけで、年会費を大きく上回る価値を得られます。
特に、Anniversary Free Nightだけでも年会費以上の価値があるため、年1回以上IHGホテルに宿泊するなら、Premierカードは圧倒的にお得です。
どっちを選ぶべき？おすすめの選び方
それぞれのカードがどのような方におすすめか、整理します。
Travelerカードがおすすめの人
- 年会費を絶対に払いたくない人：完全無料で維持できる
- 初めてのIHGカードを探している人：リスクゼロで試せる
- IHGホテルの利用頻度が年0〜1回程度の人：無料宿泊特典を使わないならTravelerで十分
- 家族カードを複数枚発行したい人：Travelerは家族カードも完全無料
- 固定費の支払いが多い人：公共料金で3倍ポイントが貯まる
- クレジットスコアがやや低めの人：TravelerはFICO 670以上が目安で、Premierより審査がやや緩め
- IHGカードを試してみたい人：まずは無料で始めたい
Premierカードがおすすめの人
- 年1回以上IHGホテルに宿泊する人：無料宿泊特典だけで年会費以上の価値
- 旅行・レストラン・ガソリンの支出が多い人：5倍の超高還元率が魅力
- メインカードとして高還元を求める人：すべての購入で最低3倍
- エリートステータスが欲しい人：Platinum Elite自動付与は非常に価値が高い
- 客室アップグレードを受けたい人：Platinum Eliteでアップグレード可能
- Global Entry/TSA PreCheckを申請予定の人：120ドルクレジットで申請費用が実質無料
- United航空をよく利用する人：年間50ドルのTravelBank Cashが便利
- 長期滞在が多い人：4泊目無料特典＋高還元率で大きく節約できる
- 年間20,000ドル以上利用する人：100ドルクレジット＋10,000ポイントで年会費を完全相殺
私の個人的なおすすめ
私自身は、Premierカードを強くおすすめします。
理由は、年会費99ドルに対して、Anniversary Free Nightだけで150ドル相当の価値があり、確実に元が取れるからです。
さらに、日常生活でのポイント還元率がTravelerより圧倒的に高いため、IHGに泊まらない月でも自然とポイントが積み上がっていきます。
実際に私は、Premierカードをメインカードとして使っており、年間10万ポイント以上貯めることができています。
ただし、「まずはお試しで」「IHGホテルをほとんど利用しない」という方は、Travelerカードから始めるのも良い選択です。
Travelerで満足できなくなったら、後からPremierにアップグレードすることも検討できます。
両方持つという選択肢
実は、TravelerカードとPremierカードは、両方保有することも可能です。
ただし、Chase 5/24ルールの対象となるため、過去24か月以内に5枚以上カードを開設していると審査に通りにくくなります。
また、入会ボーナスは同一カテゴリのカードでは一定期間（通常24〜48か月）空ける必要があるため、両方のボーナスを短期間で獲得することは難しい可能性があります。
現実的には、どちらか一方を選び、1〜2年後に必要に応じてもう一方を検討するのが良いでしょう。
よくある質問
Q. TravelerからPremierへのアップグレードは可能ですか？
A. Chaseでは、カードのアップグレード（Product Change）は可能ですが、入会ボーナスは付与されない場合があります。
新規にPremierカードを申し込む方が、入会ボーナスを獲得できるためお得です。
ただし、Chase 5/24ルールに注意してください。
Q. 年会費99ドルは本当に回収できますか？
A. はい、非常に簡単に回収できます。
Anniversary Free Night（平均150ドル相当）だけでも年会費以上の価値があります。
さらに、Global Entry/TSA PreCheckクレジット、United TravelBank Cash、年間ボーナスを活用すれば、実質的には年間300〜500ドル以上の価値を得られます。
Q. Travelerカードでも十分価値がありますか？
A. はい、Travelerカードも年会費無料としては非常に優れたカードです。
公共料金・レストラン・ガソリンで3倍、その他すべてで2倍ポイントが貯まり、Silver Eliteステータスも自動付与されます。
年会費無料でここまでの特典が得られるカードは少ないため、十分価値があります。
Q. どちらのカードも4泊目無料特典は使えますか？
A. はい、TravelerカードもPremierカードも、4泊目無料特典が付帯します。
ポイント宿泊で連続4泊以上予約する場合、毎回この特典を利用でき、利用回数に制限はありません。
Q. IHGホテルの利用頻度がどれくらいならPremierがお得ですか？
A. 年1回以上IHGホテルに宿泊するなら、Premierカードがお得です。
Anniversary Free Nightだけで年会費99ドル以上の価値があるため、年1泊でも元が取れます。
さらに、日常生活での高還元率も考慮すると、IHGに泊まらない月でもメリットがあります。
Q. 家族カードはどちらがお得ですか？
A. 家族カードを複数枚発行するなら、Travelerカードの方がお得です。
Travelerは家族カードが完全無料ですが、Premierは50ドル/年かかります。
ただし、本会員のみで利用するなら、Premierカードの方が全体的な価値は高いです。
Q. クレジットスコアはどちらのカードが審査が緩いですか？
A. Travelerカードの方がやや審査が緩い傾向にあります。
TravelerはFICO 670以上、PremierはFICO 680以上が目安です。
クレジットヒストリーが1年以上あれば、どちらも申し込み可能です。
Q. 両方のカードを同時に申し込めますか？
A. 理論的には可能ですが、おすすめしません。
Chaseは同日に複数枚申し込むと審査が厳しくなる傾向があります。
また、入会ボーナスは同一カテゴリのカードでは一定期間空ける必要があるため、両方のボーナスを獲得できない可能性があります。
Q. ポイントの有効期限はありますか？
A. IHG One Rewardsポイントは、最後のアクティビティから12か月間有効です。
どちらのカードも、カードを使い続けている限り、ポイントは失効しません。
まとめ
Chase IHG One Rewards TravelerカードとPremierカードは、どちらも非常に優れたホテルカードです。
Travelerカードは、年会費無料でありながら、公共料金・レストラン・ガソリンで3倍、Silver Eliteステータス自動付与、充実した旅行保険など、年会費無料とは思えない特典が満載です。
初めてのIHGカードを探している方、年会費を払いたくない方には、Travelerカードが最適です。
一方、Premierカードは、年会費99ドルで毎年の無料宿泊特典が手に入り、旅行・レストラン・ガソリンで5倍という超高還元率、Platinum Eliteステータス自動付与、Global Entry/TSA PreCheckクレジット、United TravelBank Cashなど、年会費以上の価値を確実に得られるカードです。
年1回以上IHGホテルに宿泊する方、日常生活で高還元率を求める方、エリートステータスが欲しい方には、Premierカードが圧倒的におすすめです。
私の個人的なおすすめは、年1回以上IHGに泊まるならPremierカード、それ以下ならTravelerカードという選び方です。
どちらのカードも、Chase 5/24ルールの対象となるため、過去24か月のカード開設枚数を確認してから申し込むことをおすすめします。
自分の旅行頻度、よく利用するホテルブランド、年間支出額に合わせて、最適なカードを選んでくださいね。
以上、少しでも参考になれば幸いです。
