こんにちは、米国クレカ研究所のレオです。
今回は、Chase Sapphire Preferred(以下、CSP)について徹底解説します。
「年会費95ドルは高い?」「入会ボーナスはお得?」「旅行保険は本当に使える?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、実際にカードを保有し、米国在住者としての実体験と公式情報に基づいて、このカードの真の価値を紐解いていきます。
本記事は、Chase公式サイトおよびTerms & Conditionsに基づき、実際の利用体験を交えて執筆しています。
Chase Sapphire Preferredとは?基本情報まとめ
Chase Sapphire Preferred(CSP)は、JPMorgan Chaseが発行するトラベル向けプレミアムクレジットカードです。
2025年現在も、アメリカで最も人気のあるトラベルカードの一つとして高い評価を得ています。
年会費は比較的リーズナブルでありながら、充実した旅行保険とポイントプログラムを提供しています。
基本スペック一覧
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発行会社 | JPMorgan Chase Bank |
| ブランド | Visa |
| 年会費 | $95 |
| 家族カード(追加カード) | 無料 |
| 審査・必要クレジットスコア | FICO 720以上が目安(※680-720でも承認事例あり) |
| 入会ボーナス | 3か月以内に$5,000利用で75,000ポイント(※紹介リンク経由、2025年11月時点) |
| 通常ポイント還元率 | 1ポイント/$1(1%) |
| Chase Travel利用時 | 5ポイント/$1(5%) |
| レストラン・オンライン食料品・ストリーミング | 3ポイント/$1(3%) |
| その他旅行 | 2ポイント/$1(2%) |
| 海外取引手数料 | なし(0%) |
| 主なメリット | 旅行保険充実、ポイント移行柔軟、ANA/JALマイル移行可能 |
| 主なデメリット | 5/24ルールの対象、空港ラウンジアクセスなし |
申し込み条件の詳細
Chase Sapphire Preferredの承認には、一般的にクレジットスコア720以上が推奨されます。
ただし、680-720の範囲でも承認される事例は存在します。
Chase銀行との既存の関係性(チェッキング・セービングアカウント保有)がプラスに働くこともあります。
私自身、クレジットスコア730の時に申請し、即時承認されました。
5/24ルールとは
Chaseカードを申請する際に最も重要なのが「5/24ルール」です。
これは、過去24ヶ月間に5枚以上のクレジットカードを開設していると、Chaseの新規申請が自動的に却下されるという内部ルールです。
Chase以外のカードも含めてカウントされるため、注意が必要です。
Authorized User(家族カード)としてのアカウントもカウントされることがあります。
そのため、Chaseカードは「最初に取得すべきカード群」と言われています。
発行会社とブランド
JPMorgan Chaseは、アメリカ最大級の金融機関の一つです。
CSPはVisaブランドで発行され、世界中で広く受け入れられています。
American Expressと異なり、日本を含む世界中のほとんどの店舗で使用可能です。
私は日本に一時帰国した際も、コンビニから高級レストランまで問題なく使えました。
ポイント還元率とマイル交換
CSPの最大の魅力は、カテゴリー別の高還元率とChase Ultimate Rewardsポイントの柔軟性です。
通常還元率
基本還元率は、1ドルにつき1ポイントです。
これは他の多くのクレジットカードと同等の水準です。
ボーナスカテゴリ
CSPの真価は、ボーナスカテゴリで発揮されます。
- Chase Travel経由の旅行予約:5ポイント/$1(5倍)
- レストラン・カフェ・バー(世界中):3ポイント/$1(3倍)
- オンライン食料品配達(DoorDash、Instacartなど):3ポイント/$1(3倍)※Walmart、Target、ホールセールクラブを除く
- ストリーミングサービス(Netflix、Disney+、Spotifyなど):3ポイント/$1(3倍)
- その他の旅行(航空券、ホテル、レンタカー、タクシー):2ポイント/$1(2倍)
- その他すべての購入:1ポイント/$1(1倍)
私の場合、月に約$600をレストランと食料品配達で使うので、月間1,800ポイント(年間21,600ポイント)を獲得しています。
これだけで年間$270-$540相当の価値があります(※使い道による)。
ポイントの使い道
Chase Ultimate Rewardsポイントは、以下の方法で利用できます。
- トラベルポータル経由で航空券・ホテル予約(1ポイント=1.25セント)
- 航空会社・ホテルプログラムへ移行(United、ANA、Hyattなど13社)
- キャッシュバック(1ポイント=1セント)
- Amazonでの支払い(1ポイント=1セント)
- Pay Yourself Back(期間限定、1ポイント=1.25セント)
主要な移行先パートナー
Chase Ultimate Rewardsは、以下の主要トラベルパートナーに1:1のレートで即座に移行できます。
航空会社パートナー:
- ANA(全日空)
- United Airlines
- Southwest Airlines
- British Airways Executive Club
- Air France/KLM Flying Blue
- Singapore Airlines KrisFlyer
- Virgin Atlantic Flying Club
- Emirates Skywards
ホテルパートナー:
- World of Hyatt
- Marriott Bonvoy
- IHG One Rewards
ポイント有効期限
Chase Ultimate Rewardsポイントには有効期限がありません(※カードがアクティブな限り)。
ただし、カードをキャンセルするとポイントは消失します。
Chaseカードを最低1枚保有し続ければ、ポイントは無期限に貯め続けられます。
ポイント価値の実例
同じポイントでも使い方によって価値が大きく変わります。
| 使い方 | 価値(セント/ポイント) | 10,000ポイントの価値 |
|---|---|---|
| キャッシュバック | 1.0¢ | $100 |
| Chase Travel Portal | 1.25¢ | $125 |
| 航空会社移行(エコノミー) | 1.5-2.0¢ | $150-$200 |
| 航空会社移行(ビジネスクラス) | 5.0-10.0¢ | $500-$1,000 |
| Hyatt移行 | 1.8-4.0¢ | $180-$400 |
旅行特典の詳細
Chase Sapphire Preferredには、年会費$95とは思えないほど充実した旅行関連特典が付帯します。
旅行保険
このカードで旅行代金を支払うと、以下の保険が自動付帯します。
- Trip Cancellation/Interruption:最大$10,000/1旅行、年間$20,000まで
- Trip Delay:6時間以上の遅延で最大$500(食事・宿泊費)
- Baggage Delay:6時間以上の遅延で最大$100/日
- Lost Luggage:最大$3,000/乗客
- Travel Accident Insurance:最大$500,000(旅行費用をCSPで支払った場合)
※補償内容の詳細は、公式Terms & Conditionsをご確認ください。
別途旅行保険を購入する必要がないため、年間$300-$500は節約できています。
レンタカー保険
Primary CDW(衝突損害補償)が付帯します。
つまり、自分の自動車保険を使わずに、カードの保険が優先適用されます。
これは非常に価値が高い特典で、多くのクレジットカードは「Secondary」(自分の保険の次に適用)です。
CSPでレンタル料金全額を支払う必要がありますが、その価値は十分にあります。
レンタカー会社の保険(1日$25-$35)を毎回断れるため、年5回レンタルすれば$125-$175の節約になります。
購入プロテクション
CSPで購入した商品は、購入から120日間、破損・盗難の保険が適用されます。
補償額は最大$500/クレーム、年間$50,000までです。
エクステンデッドワランティ(延長保証)
メーカー保証と同じ期間(最大1年間追加)の延長保証が自動付帯します。
元のメーカー保証が3年以下の商品が対象です。
Annual Travel Credit(年間旅行クレジット)
2025年の新特典として、毎年最大$50のステートメントクレジットが付与されます。
Chase Travel経由でホテルを予約すると、自動的にクレジットが適用されます。
年1回のホテル宿泊で年会費の約半分を相殺できる計算です。
10% Anniversary Boost(記念日ボーナス)
カード開設記念日ごとに、前年の総購入額の10%がボーナスポイントとして付与されます。
例えば、年間$25,000を利用した場合、2,500ポイントのボーナスを獲得できます。
これにより、実質的な還元率がさらに向上します。
DoorDash特典
CSP保有者は、DoorDash DashPassの無料メンバーシップが12ヶ月間提供されます(2027年12月31日までにアクティベート必要、※2025年11月時点)。
通常$9.99/月なので、年間$120の価値があります。
さらに、DashPassメンバーは毎月$10のプロモが付与され、食料品、リテール商品などに利用できます(年間$120の追加価値)。
私は週2-3回DoorDashを使うので、配送料無料のDashPassと毎月のプロモは非常に重宝しています。
DoorDash特典だけで年間$240相当の価値があり、年会費$95を大きく上回ります。
Peloton・Lyft特典
期間限定で以下の追加特典があります:
- Peloton購入で5x:$150以上のPeloton機器・アクセサリー購入で5ポイント/$1(2027年12月31日まで)
- Lyft乗車で5x:Lyft利用で5ポイント/$1(2027年9月30日まで)
他カードとの比較
CSPを検討する際、よく比較される主要カードとの違いを見ていきます。
Chase Sapphire Reserve(CSR)との比較
| 比較項目 | Sapphire Preferred (CSP) | Sapphire Reserve (CSR) |
|---|---|---|
| 年会費 | $95 | $550 |
| トラベルクレジット | なし | $300/年(自動適用) |
| 実質年会費 | $95 | $250($550 – $300) |
| レストラン還元 | 3ポイント/$1 | 3ポイント/$1 |
| 旅行還元 | 2ポイント/$1 | 3ポイント/$1 |
| Chase Travel Portal | 1.25¢/ポイント | 1.5¢/ポイント |
| Priority Pass | なし | あり(プレステージ会員) |
| DoorDash特典 | DashPass無料 | DashPass + $60クレジット/年 |
| 推奨スコア | 720+ | 750+ |
※2025年11月時点の情報です。
Chase vs Amex どっちがいい?
| 比較項目 | Chase Sapphire Preferred | Amex Gold |
|---|---|---|
| 年会費 | $95 | $325 |
| 食事クレジット | なし | $120/年(Uber Eats)+ $84/年(ダイニング) |
| 実質年会費 | $95 | $121 |
| レストラン還元 | 3ポイント/$1 | 4ポイント/$1 |
| スーパー還元 | 1ポイント/$1 | 4ポイント/$1(年間$25,000まで) |
| 旅行還元 | 2ポイント/$1 | 3ポイント/$1(航空券・Amex Travel) |
| 旅行保険 | 充実 | 基本的 |
| 受け入れ率 | 非常に高い(Visa) | 中程度(Amex) |
| 日本での使いやすさ | ◎ | △(使えない店舗あり) |
※2025年11月時点の情報です。
旅行保険やラウンジ、ANA/JALマイル移行を重視するなら、Chaseがおすすめです。
一方、レストランやスーパーでの利用が多く、Uber Eatsを頻繁に使うなら、Amex Goldの方が高還元です。
私は、旅行用にChase、日常生活用にAmexと使い分けています。
初心者はSapphire Preferredから始めるべき理由
年会費が比較的安く、特典とのバランスが良いため、最初の1枚に最適です。
クレジットヒストリーを構築しながら、ポイントも効率的に貯められます。
5/24ルールがあるため、Chaseカードは最初に作るべきというのが定説です。
私も、渡米1年目にCSPを取得し、その後Amex Goldを追加するという順序で進めました。
よくある質問
Q. 審査は厳しいですか?
A. FICO 690以上が目安です。
ただし、クレジットヒストリーが6ヶ月以上あることも重要です。
Chase銀行口座を持っていると、承認されやすい傾向があります。
Q. 5/24ルールとは何ですか?
A. 過去24か月以内に5枚以上のクレジットカードを開設していると、Chaseカードの審査に通りにくくなるルールです。
Chase以外のカードもカウントされます。
詳しくは別記事で解説していますので、そちらをご参照ください。
Q. 年会費を回収する方法は?
A. 2025年の新特典により、年会費回収がさらに容易になりました:
- DoorDash特典(年間$240相当)だけでも年会費$95を大きく上回る
- $50 Annual Travel Creditで年会費の半分を相殺
- 紹介リンク経由の入会ボーナス75,000ポイント($935-$1,500相当)だけでも年会費の約10-15倍
- 旅行保険を別途購入すれば年間$300-$500かかる
これらを合計すると、初年度だけで$1,500以上の価値を得られる可能性があります。
Q. CSPは留学生でも申請できますか?
A. はい、SSN(Social Security Number)があれば申請可能です。
クレジットヒストリー6ヶ月以上、スコア720以上が推奨されます。
Q. サインアップボーナスは必ず75,000ポイントですか?
A. 紹介リンク経由では75,000ポイント(最初3ヶ月で$5,000利用)が提供されています。
公式サイト直接申込では60,000ポイント($4,000利用)の場合もあるため、紹介リンク経由の方が15,000ポイント多く獲得できます。
申請前に、紹介リンクからのオファーを確認することを強くおすすめします。
Q. 年会費を払いたくない場合、Downgradeできますか?
A. はい、1年後にChase Freedom Unlimited(年会費無料)にダウングレード可能です。
ただし、ポイント移行機能とChase Travel Portalの1.25倍価値は失われます。
ポイントは保持されるので、別のChaseプレミアムカード(CSRなど)があれば、そこでポイントをプールできます。
Q. 家族カードは無料ですか?
A. はい、家族カード(Authorized User)は無料で発行でき、同じ特典・保険を享受できます。
配偶者や家族にも持たせることで、ポイントを効率的に貯められます。
Q. 日本に帰国後も使い続けられますか?
A. はい、Visaなので日本でも問題なく使えます。
ただし、米国住所が必要なため、郵送先の維持(実家や友人の住所など)が必要です。
日本のクレジットカードよりも旅行保険が充実しているため、継続保有する価値はあります。
Q. ANAマイルへの移行は即時ですか?
A. いいえ、Chase → ANAの移行は通常数日かかります。
移行申請後、ANAマイレージクラブに反映されるまで2-5営業日程度を見込んでください。
Q. ポイントに有効期限はありますか?
A. いいえ、CSPを保有し続ける限り、ポイントに有効期限はありません。
ただし、カードをキャンセルするとポイントは消失するので注意してください。
Q. 既にChase Freedom Unlimitedを持っていますが、CSPも作れますか?
A. はい、異なる種類のChaseカードは複数保有可能です。
FreedomのポイントをCSPにまとめて、1.25-10セント/ポイントの高価値で使えます。
これが「Chase Trifecta戦略」の基本です。
まとめ
Chase Sapphire Preferredは、年会費$95で旅行特典が充実したバランスの良いカードです。
旅行好き、レストラン利用が多い方、ANA/JALマイルを貯めたい方には特におすすめできます。
2025年の新特典により、さらに価値が向上しました:
- 紹介リンク経由で75,000ポイントのサインアップボーナス($935-$1,500相当)
- 年間$50のトラベルクレジット
- 10% Anniversary Boost(年間$25,000利用で2,500ポイント獲得)
- DoorDash特典が強化(DashPass + 毎月$10プロモで年間$240相当)
- Chase Travel経由で5xポイント
- ストリーミングサービスで3xポイント
これらの特典だけでも、年会費を大きく上回る価値があります。
一方、年会費を一切払いたくない方や、旅行をほとんどしない方、空港ラウンジアクセスが必須の方には向いていません。
5/24ルールの対象なので、申請順序には注意が必要です。
自分のライフスタイルに合わせて、最適なカードを選んでくださいね。
紹介リンク経由なら通常より15,000ポイント多くもらえるので、ぜひこの機会をご活用ください。
以上、少しでも参考になれば幸いです。

